「ここは今から倫理です。」は雨瀬シオリ原作の漫画。
ヤングジャンプコミックスに連載中。
2016年10月26日から連載され5巻(2020/12)まで発刊。
2021/1月からNHKでテレビドラマ化されています。
このブログでは話にそって哲学者の名言を紹介していきます。
2話はこちら。
>>ここは今から倫理です。2話・哲学者の名言「ショーペンハウアー」
では、3話の話にそって哲学者の名言を紹介していきます。
ここは今から倫理です。3話「理想の先生」-あらすじ
谷口恭一君はずっといじめられっ子でした。
家がお金持ちだったので、モノでいじめっこを釣って出世術を身につけます。
中学に入ってからはいじめられっ子を卒業したものの、先生が誰も助けてくれなかった事実は覚えています。
「いじめられっこに寄り添える先生になりたい」
谷口君はいつしかそんな夢をみるようになりました。
そんな谷口君が「見つけた!」と思った理想の先生が高柳でした。
悲しげな目を見て判断します。
この人は「いい先生」だ、と。
話をしようと高柳に会いにいくと、彼の理想に反して先生はタバコを喫っていました。
それを見た谷口君は少し幻滅します。
理想の先生ではなかったか、と。
ある日、逢沢いち子(1話目に登場)が襲われているのを谷口君は発見します。
どうしようか考えた末、近くにいた高柳先生に助けをもとめました。
先生はいち子さんを助けます。
それを見た谷口君、やっぱり理想の先生かもしれない、と思います。
谷口君は理想の先生像を高柳に語ります。
すると、高柳はタバコを喫っている自分を例にいいました。
「私は不当に部屋を追い出されたいじめられっこですか
強制的に毒(タバコの煙)を吸わせたいじめっこですか…?」と。
そして、もし後者なら私は谷口君に救ってもらえないのか?と聞いたのです。
善悪のあいまいさを高柳は説きました。
「あなたはいつかいじめっこをいじめてしまうかもしれませんよ」
高柳は続けて言います。
「貴方には-いじめっこもいじめられっこもすべてを信じ救える先生に」なってほしい、と。
谷口君は思います。
高柳先生は僕の理想の先生ではないけれど、こんな先生もいいのかもしれない、と。
ここは今から倫理です。-哲学者の名言
高柳先生は老子の言葉を引用します。
老子は道家の祖と位置づけられる戦国時代の思想家です。
儒家の教えに真っ向から反対し、自然に逆らわず、あるがままに生きる無為自然の道を説きました。
儒教⇨仁(人への愛情や同情心)と礼(礼儀作法、社会規範)の重要性を説く。
道家⇨仁と礼に反対して、道に従って生きる。
(道は宇宙を成り立たせる根本原理。自然法則のこと。)
仁や礼に従うことは自由で生き生きとした本来の人間性を奪っていくと老子は考えたのです。
漫画で引用されていた道家の言葉はこちら。
「善なるものは吾これを善とし
不善なるものも吾またこれを善とす
徳は善なればなり」
つまり善人も悪人もみな善人だといっているのだと言いました。
人間の徳性は元来みな等しく善だからと。
老子は善と悪にはそんなに違いがないのではないか、と言います。
善悪の知識は時代や環境によって変化する。
老子は人間が作った価値観にとらわれることを拒否したのです。
なので、その価値観から解放されれば、悪人も善人もみな「善人」になると言いました。
ここは今から倫理です。-まとめ
ここは今から倫理です。
3話「理想の先生」を紹介しました。
何に対して私たちは理想と言っているのでしょうか。
この理想という言葉はもしかしたら、その時代に特有の価値観にとらわれた言葉なのかもしれません。
何が「いい先生」なのかがわからない。
これに対して老子の思想を高柳は引用していました。
いい先生になるには、「いい」を考えなければいけないことがメッセージとして伝わってきます。
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