二月の勝者 全巻

「二月の勝者」全巻無料紹介!(11巻まで)漫画から中学受験を学ぼう。

二月の勝者」はビッグコミックスピリッツに連載中の中学受験コミックです。

現在10巻まで発売中。11巻は2021/4予定

2020/11時点で累計発行部数は100万部を突破

2020年にテレビドラマで放映される予定だったが、放送延期となっています。

これも受験を題材とした作品です。

ドラマや漫画に影響をうけて勉強するという話はよく聞きます。

それと同じような感覚を、「二月の勝者」に覚えました。

つまり、自分や子どもを勉強させたくなる秘訣いっぱいのコミック

そんな「二月の勝者」を紹介していきます。

>>二月の勝者 ―絶対合格の教室―シリーズ作品 – 男性コミック(漫画) – 無料で試し読み!DMMブックス(旧電子書籍)

ここで紹介しているのは電子書籍になります。
電子書籍って何?
という方はこちらをどうぞ
>>『初心者向け』電子書籍の使い方-DMMブックスがお得な理由6選

まずは話のあらすじから。

目次

「二月の勝者」-あらすじ

舞台は中学受験専門の学習塾です。

佐倉麻衣(さくら まい)は熱意あるそこの新人教師。

新人なので、中学受験のことがわかっていません。

なのでレクチャーを受けます。

中学受験とは、
生徒の7割が第一志望に受からない
狭き門。

これを自覚してから望む必要があると麻衣は教えを受けます。

まだ小学生を対象にする学習塾。

そこではメンタルケアがかかせません。

子どもの頃から競争と挫折を味わうことになります。

でも、ケアだけしていればいいわけではなく、生徒をやる気にさせて希望の中学に受からせるのがそこでの仕事です。

麻衣の仕事先は「桜花ゼミナール」。

去年の実績が悪かったので、校長先生が変わりました。

やってきたのは黒木蔵人(くろき くろうど)。

なんと彼は元フェニックスの学習塾で教えていたトップクラスの塾講師でした。

桜花ゼミナールの業績を向上させるためにやってきたのです。

子どもをやる気にさせるにはどう教えればいいのか。

黒木は子どもたちへの教育も、新人の佐倉への教育もほどこしていきます。

子どもたちや佐倉の成長物語です

そこには実際に中学受験を成功させる秘訣や、親としてや子どものマインドの極意。

知っておきたい知識がいっぱいです。

合理的に考えさせられるセリフに、あなたも勉強がしたくなってきます!

では、どのようなことを考えさせ、影響を与えるのか。

その魅力を探っていきます。

絶対合格の教室の意味

「二月の勝者」には副題として「絶対合格の教室」とあります。
(ちなみに二月は中学受験の合格発表月です。)

絶対合格させたいという熱意が含まれています。

一見すると、商売や効率重視に見えてしまうかもしれません。

しかし、そこに立てている目標は本人の夢や希望、親の願望があります。

その目標に向かうためにシステムを構築していって、一番よい方法を黒木はとっているのです。

方法は無機質かもしれません。

けれど、合格したときの喜びを塾講師たちは望んでいます。

熱血漢にあふれていた新人佐倉も、黒木に心が惹かれていきます。

熱血だけでは達成できない生徒の目標を、黒木の合理的な考え方に寄り添いながら達成させようとしていきます

佐倉は子どもの挫折を体感しています。

もっとこうしてあげたかった。

望みを達成させてあげたかった。

そんな思いから小学生を教える塾講師になったのです。

そんな心温かい人物が機械的、システム的に目標に向けて取り組む過程も必見です!

では、漫画のストーリーに沿っていきます。

まずは中学受験の3月、ちょうど受験が意識される頃です。

「二月の勝者」中学受験の3月(受験開始)

話は3月から始まります。

学年が1つあがる前の時期です。

中学受験をする一般の家庭は、この頃に中学受験を考えます。

今まで受験を意識してなかった小学生の偏差値は40でも高いといいます。

6年生になりたてであるこの頃の偏差値50は、同学年全体の平均よりずっと上なのだとか。

桜花ゼミナールの校長に新任した黒木蔵人(くろき くろうど)は教師陣に指示を出します。

次の模試までに、持ち偏差値より10~15ポイント高い高校を志望校に設定するよう促して下さい。

そうでなければ、生徒の親は転塾してしまうと言います。

『熱い』受験を教師が語ることで、生徒の可能性親の希望をひきだそうと黒木は語ります。

なぜなら、受験にはお金がかかるからです。

親は受験のために子どもにお金をだします。

塾代に月々4万円。

春夏秋冬の講習9日間ごと5万円。

泊りがけの学校合宿10万円。

志望校特別特訓10万円。

細かく見ていくと、合計1年で150万円くらいかかってしまうのです。

普通の家庭に1年でプラス150万円かける負担は重くのしかかります。

でも、親に出来ることは環境を整えること。

親は子どもに武器を身につけさせたい。

他の生徒が歩いて受験に望む中、超特急の新幹線に乗せてあげたい。

そんな親の望みが見えます。

黒木は言います。

『私立中学への進学』すなわち、『中学受験』は特急券です。」

お金をかけた者が圧倒的有利

そんな思いから親はお金をだそうとします。

塾講師は『教育者』ではなく『サービス業』です

黒木は言い切ります。

そんな黒木の子どもの気持ちを考えようとしない態度に、新任の佐倉麻衣はくってかかります。

大人のいいようにコントロールして、

子ども主体で物事を考えられなくなったら、

大人は簡単に子どもをつぶしてしまいますよ?」

黒木と佐倉のお互いの主張がぶつかります。

「二月の勝者」中学受験の4,5,6月(偏差値を上げる)

中学受験は開始早々、偏差値を上げることに特化していきます。

ではどうすれば偏差値があがるのでしょうか。

偏差値40の生徒を偏差値50まで上げる方法

その方法は至ってシンプルなもの。

基本を確実に押さえてケアレスミスを防ぐことで取れる偏差値が50まであがる

かつ、段階をとばさない

こちらをストーリーから説明します。

黒木は偏差値の一番下のRクラスに模試の過去問を受けさせました。

初めにやらせるとひどい結果です。

偏差値30台ばかりがでて、簡単な計算を間違えるケアレスミスも多数。

新米教師佐倉は言います。

「できる問題をまず選んで先にやる」という指導をしていて、それができているみたいなのにケアレスミスばかりだ、と。

その指導の弱点を黒木は見抜きます。

できる問題をまず選ぶという指導のに教えなければいけないことがある、と。

黒木はその生徒たちに、過去問の基礎知識のところだけを出題しました。

過去問を半分にして出題したのです。

全部正解しても半分なので、比率的には偏差値は下がると予想されます。

ところが。

その予想に反して偏差値が平均5ポイント上がったのです。

黒木は言います。

基礎知識がおろそかな時に、応用問題を見つけて自分にできるかどうか問いをたてさせることは焦りを生み出すだけだ、と。

そして、現に基礎知識は時間をかければできているのに、応用問題に気を取られることで出来る問題もできなくなっていたのだ、と。

すべては焦り

だから、初めから「半分しかやらなくていい」ということで焦りが取り除かれて、ケアレスミスが減ったのです。

基礎で点数が上がることを生徒たちは体感します。

基礎知識だけで成績が上がることを体感。

すると、基礎知識を重大に感じられるようになる、と黒木は言います。

偏差値55から60までの崖道

6月下旬になり、夏期講習前。

桜花ゼミナールでは恒例のクラス分けが行われました。

偏差値によってクラス分け、Ωクラス、Aクラス、Rクラスと分けられます。

黒木は偏差値の1ポイント差でも細かく数値によりクラス分けをしました。

明確な数字によって評価をすることで、親からの苦情はなくなりました。

黒木「目に見えないもので評価することは今後一切やめて頂きたい。」

このように黒木は目に見えるもの、この時点では偏差値で判断します。

受験の追い上げも、目に見える基礎知識の抜粋された問題さえしっかりとこなせれば、偏差値58までは誰でも上がるといいます。

(平均50偏差値の生徒に向けた言葉です。)

でも、少し疑問になります。

偏差値58以降の壁はなんだろうか。

黒木は偏差値55から60には断絶した崖道があるというのです。

生徒を見渡しながら、「下剋上」、サッカー用語で「ジャイアントキリング」。

それを乗り越えそうな要素を持つ生徒とは。

はたしてどんな要素がその壁を超えることになるのでしょうか。

「二月の勝者」中学受験で偏差値が上がる要素(ジャイアントキリング)

ジャイアントキリングは下剋上の意味。
つまり、偏差値がその時点で低くても大きく化ける可能性のある子どものことです。

黒木は生徒たちにある問いかけをしました。

夏期講習のテキスト、この『☆』がついている基礎問題『だけ』やってください。
本当の意味でしっかりとこなせば、誰でも『偏差値58』までは上がります!

黒木はこのセリフを生徒に向けて言いました。

よくこの文章を読んでみると、何を言っているのか明確なことを示していません。

でも、クラスのみんなは理解できた!といいます。

ただ、柴田まるみはこう答えました。

「あ…すみません…質問…なんでしたっけ…?
なんかみんなの答え聞いてたらわかんなくなっちゃって…」

この時点での「ジャイアントキリング」は柴田さんです。

ただ一人、自分のこととして質問を考えることができたからです。

他の人は不明確な問いに対して、理解ができたとよく吟味せずに言っています。

「ジャイアントキリング」の要素は、問題を自分のこととして捉えることができる人。

ただこの要素も誘発することができます。

「ジャイアントキリング」の誘発方法

元受験生のOBを塾に呼びました。

今は中学生になっているOBの子たちは、受験の失敗談を生徒に語ります。

中学受験とは、「生徒の7割が第一志望に受からない」狭き門。

なので、OB達は失敗体験を持っています。

それを聞いた生徒たちは受験を恐れはじめました。

今井理衣沙(生徒は言います。

「だって、ほんとに『落ちる』ことってあるんでしょ?
みんな『受かった』ってハナシしかしないじゃん。」

この失敗談を聞いて、生徒たちは「勉強をやらないとまずい。」という意識に変えさせられます。

その後に黒木は生徒たちに「個別指導塾『ノビール』」を進めます。

大学生バイト講師とのマンツーマンで月額3万円。

黒木「前に季節講習のことを『課金』と言いましたが、そんなライトな課金だけでは大した武器など手に取れません。
『勝つ』ためにこのステージに来たというのなら…お教えしないと。
重課金』コースを。

この言葉をどうとるのか。

お金で方法を得て最短の距離を取れれば、夏休み前の今なら偏差値50から70の高校へ受かることができるかもしれない。

お金で自分の切り開く道を買うか、それともそれを躊躇してあきらめるのか。

受験を自分のこととして受け容れ、しかも最短の『重課金』武器を手にする

目に見えるもので人を評価する黒木は、その判断ができる生徒を「ジャイアントキリング」と呼ぶのかもしれません。

では、その『重課金』武器は誰が手にするのか。

物語は進行に従って「ジャイアントキリング」の更なる要素が語られていきます。

季節は7月に移っていきます。

「二月の勝者」中学受験の7,8月-夏休み合宿

桜花ゼミナールでは、夏休みに特別合宿があります。

合宿参加が必須な理由。

5泊6日…60時間超の学習時間です。

遊んでいる小学生とはぐんと差がつくことは目にみえています。

しかし、その金額は10万円以上かかります。

親はここまでする意味があるのか悩みます。

家の子は合宿に参加しなくても、そこまで影響がないのではないか、と。

そんな中、黒木は言います。

夏休み明けの模試で第一志望との偏差値の乖離が15ポイント以上なら、
その時点でその学校を諦めて下さい!

不安になる親御さんにさらにこういい足します。

タイムリミットがあります。
その目標に届く可能性があるのは夏の終わりまで。」

黒木は生徒を受験モードに周りよりも早くさせようとしているのです。

『今』!
お子さんに最も必要なのは!
受験を『自分ごと』にさせることです!

このように黒木は親を説得させます。

選抜テストで「ジャイアントキリング」が明らかに?

桜花ゼミナールではΩクラス、Aクラス、Rクラスがあるのですが、合宿前にΩ選抜テストを行いました。

今いるクラスよりも上のΩクラスにいけるチャンスです。

その中で、「ジャイアントキリング」だと思われる柴田まるみ上杉海斗(登場人物は後述のまとめにてはみごとΩクラスに入りました。

黒木は「ジャイアントキリング」の要素を語ります。

他の子と差がついた理由について

まずはまるみさんの場合。

彼女は「受験」が「自分ごと」になって自学の内容が自律的になりました。

偏差値50の今の時点で偏差値70の高校(JG)と言う明確な目標です。

彼女は受験勉強はしなくてもいい、と思っていたし、宿題もこなしきれていなかったのに偏差値50に位置していました。

そもそもの高いスペック、本来の力が目標を立てることで出てきたのです。

次に上杉くんの場合。

上杉くんは前巻で島津くんとケンカをしていました。

島津「偏差値60以下の学校を目指しているなんてまじゴミ」

という言葉に腹を立てて上杉くんは島津くんに殴り掛かったのです。

けれど、その誤解は解け、2人の仲は縮まりました。

「友情」らしきもの。

「競い合う人物の存在。」

それと、そもそも上杉くんは自己評価を低く見積もっていたのですが、それがリセットされました。

2人はもともと高いポテンシャルを持っていたので、そのポテンシャルの高さを阻害するものを除いた結果です。

ここでの「ジャイアントキリング」の要素
①自分が自律的になったこと
②競い合う人物の存在

さらに、黒木は合宿でみんなの偏差値をあげようとしていきます。

合宿の様子

5巻は合宿の様子で幕を閉じます。

 

合宿では生徒同士が対立の炎を燃やしています。

まず自分事にして、競い合う人物を登場させる
特別合宿中、佐倉は他の先生方に教えのコツを聞きます。

「こうやって教室によって合格実績が違うのって、
指導力に差があるからってことでしょうか?」

それに対してベテランの教師勢は答えます。

!」

たまたま地頭のいい子がうちの門をたたいたから成果がでただけ。

誰しもオリンピック選手にはなれないように、
個人の能力に天井があるのは否定できないのだと言うのです。

目指してみなければわからない

そんな中学受験を佐倉はまたもや実感します。

自分の頭で考える

佐倉は少しでも自分の指導力を上げようとしています。

そんな中、佐倉は黒木に今の私にできることは何かを聞きます。

黒木は答えます。

自分が人を『変えられる』と思っているなら驕りです
-人にただ『答え』を教えてもらっているうちは『学習』とは呼べないからです。
生徒もまた同じ。」

そして、黒木は残るジャイアントキリングの要素を語ります。

『ジャイアントキリング』を成し得る可能性。
それは、『自分の頭で考えているか。』

具体的な例を黒木は語ります。

「質問に対し自分なりの答えを拙いながらも摸索するのなら、それは『思考』を使っている証拠。-
生徒にいかに『頭を使ってもらう』かを、『自分の頭で考えて』ください。」

生徒に「頭を使ってもらうこと」を考える佐倉にも注目です。

こうして受験モードに入っていくのでした。

「二月の勝者」中学受験の9月-合宿の成果はでるのか!?

生徒たちは合宿を終えました。

勉強漬けの5泊6日を終えて、生徒たちは自信満々です。

これを乗り切ったから偏差値は上がっているはず!

合宿も、さらには夏休み中も生徒たちは勉強をがんばりました。

みんなが自信をもって9月の模擬試験を受けます。

受けた生徒の大半は問題の穴が前より埋められた、と喜んでいました。

ところが。

大半はよくて維持、多くの生徒がポイントを下げていたのです

夏前なら模試の結果が悪くても平気で笑っていた子どもたちも、この結果に落ち込みます

それでも、黒木は布石を打っておくことで、トラブルにはなりませんでした。

「夏の成果は9月には出ません」このように親に伝えたと言うのです。

生徒の親に心構えを作っておいたのです。

夏の成果は10月にでる、と保護者会にはそう言ったと黒木は言います。

夏の成果がでると聞いて嬉しくなった佐倉は黒木に言います。

「10月には成果が出せるんですね?」

しかし黒木は現実をつきつけます。

そこは個人差としか言いようがなく、その頃には夏の熱も冷めているから現実を受け入れられる、と。

佐倉はそれを聞いて落ち込みます。

子ども達はもうすでに、泣くほど傷ついているということを佐倉は黒木に伝えました。

それを聞いて黒木は言います。

笑えてくるほど最高です!

このセリフ。

捉え方はいろいろな面からできます。

黒木の真意は何なのでしょうか。

それは生徒のためなのか、お金のためなのか。

「二月の勝者」中学受験の10月-さらに学力を伸ばすには?

物語は10月に突入。

ここでは明確な志望校を上げます。

偏差値への考え方からすれば、偏差値50だと言っている高校でも偏差値43でも受かることはあります。

塾講師は親への説明を丁寧にしつつ、希望校をいくつか決めます。

黒木は言います。

ここから先に新しく学ぶものはありません。

ここから先は、ひたすら実際の入試に使われた過去問の演習をやったり、本番レベルの問題に慣れてもらう訓練をしたりすると言うのです。

要するに本番に得点すれば良い。

2月1日の本番その日まで、学力は伸びます…!!

こう黒木は親に言って安心させます。

受験まで4か月を切りました。

時間がなくなってきたのです。

「塾を信じてついていってよかった…!」という親

「塾なんか信じちゃダメだわ…!」という親に分かれます

親と生徒。

生徒と塾講師。

親と塾講師。

それぞれの対策が必要となってきます。

さて、偏差値は伸びにくくなり、新しいことはもう学ばなくなる。

そんな中で塾はどのような指導をするのでしょうか。

受験まで学力が伸び続ける条件とは

物語の進展とともに見ていきましょう。

「二月の勝者」中学受験の11月-学力を伸ばす条件

季節は11月。

この時期のことに関して、黒木は断言します。

どんなに温厚で冷静な方でも必ず、親御さんのメンタルに3回のクライシスが来ます!

3回の「危機」(クライシス)とはどのようなものなのでしょうか。

11月の塾説明会で、合格判定模試は実質あと2回しかないと黒木はいいます。

11月の模試と、12月初旬の模試です。

そして、12月の模試の直前に第1クライシスが訪れる、と。

第2クライシスは1月受験、第3クライシスは2月受験です。

一番みんなが不安になる時期が第1クライシス。

入試三か月前という「魔」の時期だと言います。

それでも、黒木は親に要求をします。

この時期だからこそ、「女優」「俳優」になって「いつもニコニコ明るい親」を演じて欲しいと言います。

親と塾が一体になってこそ、受験が成功すると黒木は言いました。

11月の模試結果

黒木はみんなが第一志望校にたいしてA判定が出ていないことを良い結果だと言いました。

みんなまだ必死にA判定を出そうとやる気を出せるからです。

かえって、フェニックス校では何人もA判定がでていました。

それに対してみんなが喜び、浮かれています。

フェニックス校の灰原先生は、その喜びに不安を覚えました。

この時期の喜びはどのような結果をもたらすのでしょうか。

11月に親がやるべきこと

桜花ゼミナールでは「絶対合格カレンダー」を生徒一人一人につくらせます。

受験に必要な費用、日程、願書締め切りなどなど細かいことを書きこんでいきます。

ここで家庭における問題が明確になります。

1つはお金の問題

第二、第三希望の合格した学校をキープするお金です。

合格資格を抑えるために、捨て金になる覚悟で入学金を払い続け、帰ってこないお金が100万前後になったケースも…

親はこの事実を受け入れていきます。

無駄になるお金が安全獲得のためには必要になります。

100万円までは行かなくても一つのキープで10万円というのはざらです。

2つ目の問題は内申書です。

登校拒否の問題や、授業中の態度などが問題になってきます。

11月は親の忙しさや、生徒の変化が語られていました。

親はお金が必要なことや、受験のサポートが必要なことを自覚します。

生徒は成績によって、志望校を決定していきます。

11月の時点でも、まだ上方修正する生徒も現れています。

小学生は可能性の塊でもあるのです。

 

ここまでがあらすじによる11巻までのまとめです。

では、登場人物に焦点を当てて中学受験の実体をみていきましょう。

中学受験をする登場人物の心境

 

黒木は一人一人の生徒を見ています。

前田花恋の場合-個性をみるとは?

ある成績優秀で桜花ゼミナール2位の女の子(前田花恋)がフェニックスに転塾しようとしていました。

フェニックスの授業はとても進んでいました。

花恋は授業を体験し、その授業でも特別な存在になろうと勉強を加速させます

毎日勉強時間を増やしては、勉強で身がふらふらになるくらい。

花恋は桜花ゼミナールでは女王様でした。

教師や生徒みんなが勉強ができる存在として特別視してくれます。

でも、フェニックスでは上には上がいます。

どんなにがんばっても、トップな特別な存在としては見てもらえません。

絶対にトップ獲る。私のこと知らないヤツなんていないくらいにしてやる。」

成績は良くなっても、絶対トップでいようとしているのです。

みんなはそれほど頑張らなくていいのに、と言います。

そんな中、黒木は花恋に話しかけます。

なんで『勉強ができる』って特技は、
『リレーの選手になれた』とか
『合唱コンクールでピアノ弾いた』とかと同じ感じで
褒めてもらえないんだろうね?

「『クラスで一番足が速い』子を『みんな』が褒めるテンションで、
クラスで一番頭がいい』子も褒めてくれればいいのに。」

黒木は花恋の心境を見抜きます。

『私を褒めて』
『私を見て』
って思うよね?

花恋のほほに涙が伝います。

「もし今『その他大勢』になっているとしたら、そこは花恋に合ってない。
花恋は女王になれるところでしか輝けない。」

黒木の言葉に花恋は転塾を止めたのでした。

池田勇人の場合-夫婦の意見の違い「課金ゲー」

息子(池田勇人)への対応が違う夫婦がいました。

妻は勇人に受験して欲しい一方、夫は学歴はそこまで必要ないと考えています。

ご夫婦の意見が一致していないと中学受験は失敗します。

桜花ゼミナールの黒木が使命した先生はそのように妻に語ります。

意見の不一致で受験に失敗した場合、夫は言うでしょう。

「ほら、俺が言ったとおり!
こいつがそんなに頭がいいわけなかっただろ?」

その想像に対して妻は叫びます。

違うわ!!

これで、妻側が意志が固まりました。

私が責任を持ってお金をだし、息子に武器を持たせる。

夫は育成ゲームに課金しているけれど、それと同じだと妻は言います。

子どもに『課金』して、クソ強いキャラに育てよーとして何が悪い。
勇人にどんな敵でもラスボスでも倒せるクソつええ武器持たせたいんだよ。
課金ゲー上等!!

黒木はその話を聞き、課金ゲーというのが受験においてその通り過ぎて面白い、と言いました。

石田王羅の場合‐「放課後の居場所を得るのもカネ次第…!

石田王羅くんは毎日、桜花ゼミナールに出席します。

けれど、彼の成績は最下位で偏差値38です。

以前、模試の回答を半分にしたとき、みんなは成績が上がったのに彼だけは下がりました。

その原因は、彼の回答がサイコロに頼っていたからです。

基礎を理解していない、そもそも勉強をやる気がない。

それなのに、塾に来ている理由。

それは親が王羅くんを一人でほっとくとあぶないからという見解からでした。

塾に預けておけば安心という考えです。

王羅くんは過去に、おばあちゃんのお金をくすねようとしたことがあります。

彼はカードバトルにはまっていて、お金でレアカードを手に入れようとしていたのです。

今時の普通の小学生の実態について、黒木は語ります。

今は公園でボール遊びが禁止されています。

みんなゲームやカードに夢中です。

では、そんな中どんな子が人気者なのかと言えば、そのレアカードやゲームを持っている子です。

持っていると仲間に威張れる。

黒木は佐倉に言います。

「大変ですね、今の小学生は。
放課後の居場所を得るのもカネ次第…!

そして、黒木は王羅くんの母親に塾をやめて個別学習をするようにもちかけました。

みんなについていける基礎学力を一からつける必要があったからです。

受験に燃えるわけではないけれど、居場所を塾に求める。

そんな王羅くんはどうなるのかも、伏線として注目です。

加藤匠の場合-「ジャイアントキリング」の1人

加藤君は偏差値40から、受験前になって偏差値55まで伸びていました。

そして、志望校も偏差値60の行きたいところを目指します。

加藤君は黒木に「ジャイアントキリング」の要素があると言われていました。

受験を自分事にして、問題も自分の頭で考えるようになっています

加藤くんは夏休みの自習室利用がぶっちぎりの1位でした。

夏、とことん頑張れた彼は秋以降にとても成績が伸びていたのです。

加藤くんの母親は涙ながらにいいます。

辞めなくてよかった…
ここまであの子が頑張ってこれた姿を見れただけでも続けてよかった。

加藤くんの今後に期待です。

黒木蔵人の場合-過去の事情

私は自分の生徒を潰した過去があります。」と。

それは黒木が家庭の事情に介入したからだと語ります。

2年前のこと。

黒木はいつものようにフェニックスの最上位クラスを教えていました。

その中でクラスが落ちた生徒(晶)が黒木に言います。

どうにかして上のクラスに戻れないか、と。

フェニックス校では成績順にクラス分けが行われるのです。

子どもがそんな提案を強く言ってくるのには何かがあります。

勉強好きな子が勉強を嫌いになる理由

それは勉強をめぐる親との争いが嫌いだからです

そして、黒木は気がついてしまいました。

晶くんの腕に数か所のつねられた痣(あざ)があることに。

それから晶くんから目を離さずにいた黒木ですが、ある日、晶くんが額に絆創膏をしていました。

事情を聞きます。

〇〇中に受からなかったらぼく、何されるかわからないよう…

黒木は晶くんを助けるために、個人的に勉強をみることにしました。

ただ、その個人的なことが晶くんの母親にばれて、黒木は正式に家庭教師として依頼をうけました。

彼は志望校に合格した。
しかしそこからが本当の悲劇だった。

このように黒木は語ります。

何があったのかというと、晶くんは「深海魚」になってしまったと言うのです。

「深海魚」というのは成績についていけず
沈んだまま浮上できない成績の生徒のことです。

熱意で頑張って食らいつける生徒もいるのですが、晶くんは親の希望にそった志望校だったので本人の熱意がそこまででてきません。

晶くんは引きこもってしまいました。

「合格する」ことばかり考えて「その後」があることを大人たちは忘れていたのです。

私立校に馴染めず、地元の公立中に転入することになりました。

が、親はそのことを恥ずかしいと晶くんに言います。

母「『理想の息子』になれないなら出てって!

この言葉を聞いた晶くんはバットを取り出して家の中をめちゃくちゃにします。

家庭崩壊が起こりました

そして、このことは現在進行形です。

中学3年生になった晶くんはまだ家に閉じこもったままです。

黒木はときおり晶くんの家に訪れては、ドア越しに晶くんの勉強のフォローをしているようです。

黒木は言います。

「我々は本当の意味で『当事者』ではないからわからない、ということ。」

塾講師は受験のプロでありながら、合否に責任を持つ必要、生徒の人生に責任を持つ必要もない。

「そんな我々に、親が背負っている重荷などわかるはずもない。」

そんなことを思う黒木は自分の弱点を言います。

『想像力』と『共感力』の無さ。

人の気持ちを想像する力と、それに寄り添うための共感力が足りないと言うのです。

そのため、黒木は佐倉や桂先生の力も借りたいといいます。

「全てのサインを見逃さないよう。いろんな視点が欲しい。-
全ての生徒の『合格』を…!」

黒木の過去の行動の真意はお金ではなく、生徒のためを想っての行動だったようです。

では、クラスメイトの中でも特に漫画で取り上げられることの多い人物、
島津順くんと柴田まるみさんについて詳しく見ていきます。

島津順の場合-家庭内トラブル

島津くんは桜花ゼミナールでトップの成績です。

島津順の家出

桜花ゼミナールで成績1番の島津くんとそこそこの成績の上杉くんがケンカをしていました。

島津くんは言います。

偏差値60以下の学校なんて学校じゃない
そんなとこ目指してる奴らなんてまじゴミ。」

勉強にコンプレックスを持っている上杉くんにそう言ったのです。

上杉くんは手を出しました。

島津くんに殴り掛かったのです。

ケンカをいさめられて落ち込んでいる上杉くんは新任講師佐倉に言います。

「先生…僕…間違ってないよね…?」

佐倉はきっぱり言います。

「うん、間違ってない。」

この事件をきっかけに、島津君と上杉君は仲が悪くなっていきました。

子どものケンカはよくあるのですが、この時点で2人が12歳だということを考えます。

すると、この事件の裏の意味が見えてくるのです。

 

島津くんの家庭は荒れていました。

父親が島津くんに期待をかけすぎているのです。

島津くんは父親にこのテストをやってみろとテストを受けさせられるのですが、結果が良くありませんでした。

父親は激怒します。

島津くん本人にではなく、母親にです。

偏差値50の学校なんて学校じゃないぞ!
今頃こんな問題に時間かかってるようじゃ
絶望的にゴミだ!!!

どこかで聞いたセリフです。

島津くんは父親の言葉を真似ていたのです。

続けて父親は母親に向けてこう言います。

母親であるお前のせいだぞ!!」

島津くんはその言葉をドアの向こうで密かに聞いていました。

 

あくる日、島津くんは塾を休みました。

家出です。

公園の片隅に隠れていました。

塾のみんなが探し、母親も探します。

見つかって怒られる!と思った島津くんですが、母親に抱きしめられます。

母親「よかった……!
よかった無事で…!」

島津くんは泣きながら言います。

「ごめんなさい
ごめんなさい!
問題解けなくて
塾も逃げ出して…ごめんなさい!」

母親は言います。

「そんなに辛かったなんて知らなかった…
ずっと成績も良くて、勉強が好きなんだって思ってたから…
謝るのはママのほう。
だから…
嫌なら…やめていいよ?
中学受験。
やめていいよ?ね…?」

そういう母親に、島津くんは叫びます。

嫌だ!
嫌だやめない!
やめたらママがパパにいじめられる!!!
いやだぁ いやだよお!!
もうママが泣いてるのいやだよおお!!

家庭の問題なので、先生たちは立ち入ることはできません。

母親は島津くんが塾をさぼったことを父親に伝えました。

案の定、怒られます。

「塾をサボった!?
甘いんだよお前は!
あんなクソみたいな学校の問題もできないんだぞ?
ゴミだろゴミ!!
お前は順をゴミ溜めにいかせることになってもいいのか!?」
(順=島津くんの名前)

この怒号は一人部屋にいて寝てるはずになっている島津くんに丸聞こえでした。

しかし、今回、母親は泣きながら父親に言います。

「あなたは…もし順が、
そういう学校しか受からなかったとしたら…
順は人間以下だっていうんですか…?」

父親は脅すように「はぁ?」と言いますが、母親は続けます。

順が…
たとえ順が…
どこにも受からなかったとしても、順は順です…!

この言葉を島津くんはドアを隔てたところで一人聞きながら涙を流していました。

模擬試験9月の結果

結果の悪かった親は、これほどお金をかけているのに結果の出ない子どもをもどかしく思います。

桜花ゼミナール1位の島津君も数ポイント成績が下がったのです。

島津くんの父親は叫びます。

楽しそうにやってんじゃねえよ!!
仲良しゴッコするために高い金払ってんじゃねーぞ。

島津くんは同級の上杉くんと仲良くふざけ合ってるところを父親に見られてしまったのです。

ただでさえ時間がないってのによりにもよって、
バカの相手してんじゃないよ!

島津くんもこれには言い返しました

父親と島津くんの仲は悪くなっていきます。

そんな中、さらに成績を下げ続けている島津くん。

島津くんは休み明けのテストもポイントを下げ、10月には偏差値60前半になってしまいました。

元は70あった偏差値です。

その原因はどうやら家庭環境にありそうです。

島津くんの家では母親が父親に怒鳴られているシーンがたびたび出てきます。

偏差値が下がり、父親はもう塾には任せておけないと母親に言います。

父親は参考書を買って来たり、赤本(志望校の問題集)をやらせたり、島津くんの勉強を直接見だします。

赤本はまだ手をつけてはいけないと塾で言われているのにも関わらず、塾の方針に逆らいます。

塾の方針と家庭の方針のすれ違い。

そんな島津くんはいつも眠そうにしていました

夜遅くまで勉強をしているようです。

面談に来ない島津くんと両親

10月には塾で面談があります。

そこで、島津くん一家との面談が予定されていました。

黒木は対戦に備えます。

ところが、島津くん一家は現れません。

電話が塾にかかってきました。

母親の「すみませんが…面談はまた今度にしてもらえますか…?」という涙ながらに語る声が聞こえてきます

父親は島津くんの成績が下がっていることから、自分が奮い立ちます。

塾になんか頼らない。俺の力で受からせる!!」と。

そして、父親は過去問を出すのですが、島津くんは一問目から解けません。

島津くんの勉強を見る横で父親はいらだってきます。

貧乏ゆすりをしたり、手をこんこん机にぶつけたりしています。

とうとう島津くんの出来ない様子に父親は腹を立てて叫びました。

睡眠時間『五時間じゃ落ちる四時間は合格する』大学受験じゃ常識だ
いいか!できるまでやれ!寝るな!負けるぞ!いいのか!

そんな父親から島津くんを守ろうと母親は考え出しています。

警察が島津家にくる

塾に母親から「助けっ…(ガチャン)」という電話がかかってきました。

電話を受け取った黒木は、島津くん宅に向かいます。

その先にはパトカーが

でも、家の中にいたのは父親だけ。

なんと、父親が警察を呼んだのでした。

「息子が暴力をふるいました」と、父親が警察に通報したのです。

黒木はそんな父親が理解できません。

普通なら子どもの未来に傷をつけないものなのに。

父親は言います。

あいつは俺の子だ。
誰よりも本気であいつの将来を考えてる。
なのにあいつは、そんな俺の気も知らず、
へらへらしながら塾に行き友だちゴッコに興じて、-
『受験』ってものをナメてんだよ。

これに対して黒木は反論します。

父親は勉強を苦行だと思ってやってきた人。

「貴方はその『苦行』を『忍耐』で乗り切った、
それは大層ご立派だ。
でも、絶対に忘れちゃいけない視点が欠落してる。
貴方の大学受験は『18歳』。
順さん(島津くんの名前)は『12歳』。
その差6歳。

この6年は人間が一番精神的にも肉体的にも成長する6年。

勉強を苦行としてやり遂げられた18歳にできたことが、12歳に出来るわけがないと黒木は言います。

18歳の受験と12歳の受験は違う!

島津君両親の離婚

父親が警察に電話をかける行動をみて、母親は順くんを連れて実家に帰ります

離婚をしようと考えはじめました。

そうした場合の懸念は、経済的に私立に通わせることができないこと。

母親は受験を止めさせようと思っている旨を黒木に伝えます。

そんな母親に黒木は言います。

「順さんにどんな人間になってほしいのか。」

そして母親の責任を問います。

すでに順くんは開成(御三家といえる偏差値トップ中学)に挑んでいます。

黒木「そもそもその気にさせたのはあなた方ですよね?
彼を『船』に乗せたのはあなた方だ。

母親は受験を止めさせようかと思ったのですが、島津くんはやる気でした。

子どもに夢をみさせてきたのに、親の都合で勝手に降ろさせることに対して母親の責任を黒木は問います。

我慢も無理もする必要はありません。
正直、離婚は賢明だと思いますよ。

家庭トラブルを乗り越えて受験をするにはどうしたらいいのか?

黒木は言います。

順さんが受験をやめなくていい方法があります!」と。

このことを母親に言い、順くんが受験をやめなくていい方法を3つあげます。

1、奨学金制度のある学校へ行く。

2、国公立の中学の受験。

3、開成の奨学金を利用する。

順くんは開成中学校にいくためにがんばってきたで、3の選択肢が一番な気がします。

ところが、黒木はこの3の選択肢を最後まで出しませんでした。

なぜか。

それには成績ではない条件がありました。

「年間所得が218万円以下、または給与収入400万円以下の世帯の子弟」

つまり、親の「離婚」が前提にある提案なのです。

勉強をやらなくていいと言われても…

島津くんは、父親と離れて暮らす間、母親の実家でのんびりとすごしました。

テレビをだらだらみたり、遊んだりしていました。

でも、そうしているうちに、勝手に勉強がしたくなってきていました。

そして、1人で塾まで黒木に会いに出かけます。

問題が解けたから見て欲しい、と。

開成高校の過去問に挑んでは、こんな問題を出すような学校に行きたい!

この問題が解けたことにゾクゾクした!!

目を輝かせながら順くんは黒木にその体験を語ります。

俺、勉強自体が嫌いになったんじゃなかったんだ、って……
それがわかって嬉しかった…!

順くんは自分が勉強を好きなことを再確認しました。

そして、順くん自身が母親に言います。

開成受験したい…!!
自分の力を試したい!

母親は決意を固めて黒木に言います。

先生を信頼してこの子を預けます。」

受験をすることによって、離婚の後押しになりました。

 

柴田まるみの場合-潜在的能力が開花していく。

柴田まるみさんは登校拒否になってしまった生徒です。

登校は出来ていませんが、自主学習でやったテストでは偏差値50を普通に出していました。

普通かと思いきや、何も教えてもらっていない中でその点数が出せる。

潜在的な地頭の良さがあると考えられている子です。

そんな柴田まるみさんはJG(偏差値70)の中学校を志望校に設定しました。

その中学に通っているOBに憧れをもったからです。

まるみさんの偏差値はどんどん上がっていきます。

「ジャイアントキリング」の要素があると言われた一人です。

柴田まるみさんはΩクラスで仲の良い友だち(ジュリ)ができました。

ジュリは何でも楽しんでやります。

数学の図形が綺麗だったからすぐに覚えた。

ママが婦女子だったから、歴史がすぐに頭に入ってきた。

算数はパズルを解くみたいに楽しい。

こんなジュリの志望校はまるみさんと同じJG(偏差値70)でした。

まるみさんは思います。

ねえ神様、やんなっちゃうね。

まるみさんが必死で勉強をやる中、ジュリは楽しんでやっているからです。

 

みんなが成績が落ちた9月の模試ですが、その中でまるみさんは成績が上がりました

なのに、まるみさんは落ち込んだままです。

成績が上がっても、期待していた伸びではない。

しかも、合宿では自分よりレベルのずっと上の天才たちを目の当たりにしました。

成績が上がり調子なのにメンタルが落ち込んでいるまるみさんに対して、黒木はある策を企てます。

まるみさんが天才だと思っているジュリをまるみさんの隣の席にする秘策です。

算数を楽しんでやる算数偏差値72のジュリです。

天才を今までよりも身近に感じるような席順。

まるみは合宿で、天才ジュリと出会ったことで落ち込んでいました。

自分が苦手な算数を楽しくやって算数偏差値72。

もう別次元の人だとしか思えません。

まるみさんは自然とジュリを避けるようになりました。

自分がみじめになったのです。

ところが、黒木はまるみさんとジュリの席を隣同士にしました。

まるみさんは話しかけられることが多くなります。

ジュリを嫌いではない。

でも、劣等感を感じてしまう。

そんな中、漢字テストをやりました。

まるみさんはジュリのテストを採点するのですが、なんとジュリは漢字が苦手。

漢字の止めやはねを間違えていて、まるみの方が点数が取れていました。

ジュリは言います。

「私ってやっぱりさあ、まるみの几帳面さを見習わなきゃいけないなあって!」

席の近さがお互いに影響を与えだしました

そして、珍しくジュリが落ち込んでいる日がありました。

数学は天才的ですが、国語ができません。

黒木に国語のレベルが甘いから日曜日特訓のJG(志望中学)のクラスに入れられないと言われたようです。

ジュリはJGを諦めようとしていました。

それを聞いたまるみさんはジュリに言います。

そんなの…ジュリらしくないよ…!
やるだけやってみようよ?

まるみさんは得意な国語をジュリに教え、ジュリは算数をまるみさんに教えます。

そして、その言葉がけは自分にも返ってきます。

実はまるみさんは勉強への不安から、Ωクラス(高偏差値)からAクラス(中偏差値)への申し出をしていたのです。

そんな不安そうにしているまるみさんにジュリは言います。

「ジュリは5年の時からずっとΩなの!-
2年以上ずっと今の位置なの!」

まるみはまだジュリが言いたい意図を把握していません。

ジュリはきっぱりと言います。

「まるみとジュリは違う…
だって、
本気出したらすぐ何人も追い越してΩに入れちゃったとことか、
1人でコツコツ自由出来るとことか、
嫌いな科目も逃げずにやるとことか、
全然違う…
ジュリと違ってまるみは…
『伸びしろ』しかないじゃん…!

ジュリはまるみさんを見てきたからこそ、こう言いました。

まるみさんは不安を断ち切り、JGの志望はそのまま維持し続けることにしました。

2人でJGに行くことを目標にします。

黒木は「混ぜるな危険」大いに結構とつぶやきます。

まるみはジュリによって潰されるのではなく、目標や希望をもらいました。

そして、ジュリもまるみさんに良い影響を受けています。

大きな化学反応が得られるかもしれません。」と黒木は言いました。

11月の模試結果

まるみさんの第一志望の判定は20%以下で悪い結果でした。

本人は落ち込み、親も志望校を変えた方がいいのではないかと悩みます。

ところが、第二志望の判定をみると50%。

この第二志望校は偏差値の高い学校で、ここで50%を出せることはすごいことだと講師陣は驚きます。

まるみさんの偏差値は60近くになり、基礎がしっかりと固まっています。

テストの結果を見ると、一題一題の処理スピードが間に合っていないだけだとわかりました。

これは、もしかすると「間に合う」かもしれない!

最下位クラスにいた柴田まるみは間に合って、偏差値70超のJG校に受かることができるのか!?

内申書問題

柴田まるみさんは小学校を保健室登校しています。

ずっと不登校を続けてきていて、今になってやっと保健室登校できるくらいになっていたのです

きっかけはまるみさんが習字で賞をとった時。

クラスのみんなから「ひいき」でとったのだと言われたことです。

このささいな出来事がきっかけとなって、数日学校を休みました。

親はそんなまるみさんを無理やり登校させようとします。

まるみさんを校門の前まで車で送って行って、そこで無理やり学校に入らせようとしました。

それを見られたまるみさんは「カホゴ」ちゃんとクラスメイトに言われます。

その結果、余計に心を閉ざしてしまったのでした。

11月の今現在。

このままクラスに行かないまま、まるみさんは卒業してしまうのか。

親はまるみさんの内申書が悪いことから、志望校を下げさせようとします。

しかし、ここで黒木がいいます。

『待つ』ことが『親の仕事』ではないでしょうか。

今までまるみさんの前にある小石(障害)をどけてきた親ですが、とうとう見守る段階が必要なのだと黒木に言われました。

『待つ』ことのエキスパートたれ、と。

まるみさんは親に今の志望校を内心が悪いからあきらめろと言われています。

でも、まるみさんはどうしても今の志望校を受験したいと思っています。

それにはどうしたらいいのか。

本人は1人、思い悩みます。

学校に行けなくなった過去を思い出します。

恐い。

身体が震えて、吐き気がでてくる。

それほどクラスメイトに言われたことが恐怖になっています。

「ひいき」「カホゴちゃん」

でも、まるみさんはこれをただのウソであり、悪口なのだと思い込もうとします。

「わたしの夢を…ジュリ(同じ志望校の友達)との約束を、あきらめるもんか…!!」

こうして泣きながら、教室に向かいます。

吐き気がして、吐いてしまいます。

それでも、教室にたどり着きます

クラスメイトが笑顔で歓迎してくれました。

まるみさんはまだ小学生です。

受験の話をしていると小学生のメンタルを忘れがちになりますが、まだまだ成長段階なのです。

まるみさんはクラスに行くという一つの壁を乗り越えました

「二月の勝者」-中学受験を学ぶ名言

中学受験を考える上で知っておきたい名言を紹介していきます。

名言-凡人にこそ中学受験

「自分は天才だとでも思っているのか?
君たちが合格できたのは
父親の『経済力』、母親の『狂気』

名門塾に受かっている子どもたちへのセリフです。

なぜこう言うのでしょうか。

凡人こそ、中学受験をすべきなんです。」

黒木は論理的に説明します。

プロサッカー選手を目指そうか、中学受験をしようか悩む親に対して、確率を指摘します。

プロサッカー選手になれる確率は約0,21%。
憧れの難関校に入れる確率は10%

勉強の方が努力のリターンを得やすい。

「粘って頑張った経験のある子は、受験でも強いですよ。」

確率を考えればそうですよね!

子どもをスポーツか勉強かどちらかにしようとしている場合には、確率論が幅をきかせます。

名言-「学習塾」は子どもの将来を売る場所

黒木は言います。

6年生の生徒が一年間に塾に落とす金額は平均150万円。

フェニックス生(名門塾)なら200万円はする。

その事実を新人教師、佐倉に教えます。

佐倉は子どもをただ頑張らせるという努力論だけにシフトしがちだったのですが、そこにはお金がからんでいることを自覚させます。

ただ生徒任せではいけないという心得を教えるのです。

子どもに好きなものがあれば、それに関連させて目標を設定する。

それに関連させて物事を教えたり、やる気を引き出させる。

そういう仕事としての塾講師の視点が必要だと黒木は語ります。

努力・根性論ではなく、システム構成です。

そこが塾という学校とは違った視点です。

受験と言うのはマーケットの一つになっているんですね。

名言-中学の選び方①偏差値の高い高校へ行く

子どもの夢を志望校選びの理由と結びつけようとしていた佐倉に対して黒木は語ります。

「子どもは裏切ります。
言うことを真に受けてはいけません。」

この回答は黒木からは語られませんが、フェニックス講師の灰谷先生が代わりに答えます。

子どもの話はコロコロかわる。

「夢など関係ありません、常に『偏差値の高い高校』を目指すべきです。
『大は小を兼ねる』のごとく、高ランクの大学に進学することは、職業選択の幅が広がるということ。ー
夢なんて叶えられるのはほんのひと握り。
だから、せめていろんな職業を選べる高い学歴を、子ども達に与えてあげるべきなんです…!」

親だからこそ武器を持たせられるとか、特急券を持たせられると言う考え方につながります。

そして、この考え方は中学選びの一つであり、他の方面から見た選び方があります。

名言-中学の選び方②夢と結びつけて高校へ行く。

親は子どもに一年で150万ほどのお金を支払います。

佐倉は疑問に思います。

「逆に…これだけ…時間もお金もかけて、トップ校じゃなくてもいい理由ってなんですかね…」

その疑問に先生はこう答えます。

親にこう質問をすればいい。

お子さんにはどんな大人になって欲しいですか?」と。

私立と公立では偏差値は同じでも金額は大きく違ってきます。

「私立中高の学費、六年間で500万円前後のお金をかけて、
手に入れたいのは学歴『だけ』ですか?」と。

佐倉は桂先生からの言葉をヒントに、生徒の好きなものに通じた志望校を集めます。

花が好きなら園芸のあるところ。

英語の本場が学べるところ。

好きな趣味が生かせるところ。

佐倉は希望に沿った選択史を生徒に見せることで、本人のやる気も引き上げられました

もちろん偏差値の高さと本人のやりたいものとを一致させるやり方もあります。

名言-説得と説教の違い

熟の個人面談では話の通じない親もあらわれます。

塾講師がどんなに無理だと思っても、高い志望校にうけさせようとしている親です。

そんな親は塾講師の聞く耳を持ちません。

黒木は言います。

「『説得』というものは相手に聞く準備がなければただの『説教』です。」

塾はサービス業でもあるので、相手を怒らせて塾に来てくれなくなるのが一番の不利益です。

まずはその親の味方だということを伝える戦略に黒木はでていました。

名言-偏差値は気にしなくていい

11月の模試が悪かった親が佐倉に相談に来ます。

もっとレベルを下げた志望校にした方がいいのではないか、と。

それに対して佐倉はいいます。

模試の偏差値も合格判定も、今後は気にしなくていいです!

困惑する親。

親は合格判定までどうしても10点足りないと嘆くのですが、佐倉は「たった10点じゃないですか」と述べます。

10点の重みは重々承知しているはずの佐倉。

しかし、その10点を超える秘策を親に提示したのです。

志望校の傾向と対策から、この10点の壁は破ることができる、と。

佐倉は一人一人の生徒にあった策を立てました。

策によっては偏差値を気にしないことが正解です。

全体的な偏差値をあげることよりも、志望校に狙いを定めて、その志望校だけの特典UPを狙いに行きます。

私は『勝ち』という言葉から逃げた。-
きっと受験の『勝ち』はひとつじゃない。
その『勝ち方』を摸索しよう。-
悔いのないように全力で。

佐倉は自分をふるい立たせていました。

親のメンタルの方が先に参ってしまう。

この攻略を佐倉は考え出して、実行できたのです。

佐倉の成長も感じられる結果になりました。

名言-志望校に落ちる確率は7割

以前、中学受験で第一志望校に「受からない」のは約7割と言われていました。

「実は、このなぜ『7割』になるのかには隠された『真実』があります。」と、黒木は語ります。

この1年。

急激な伸びを見せた生徒がいました。

黒木は以前、基礎をきっちり積み上げることさえできた生徒は偏差値58に届くと言いました。

そんな生徒は直前(11月)に来て今の志望校の判定がA(80%)になっています。

上方修正が必要になる

こうした事柄も志望校に受からない70%に入っている。

つまり、良い方に志望校を修正した分も志望校に受かる割合が減るということです。

名言-成績が伸びる急激な曲線がある

成績が伸びるのは少しづつ緩やかに上昇する曲線。

一般的にはこのように想像しがちですが、実は違うと黒木は言います。

急激に上昇する曲線を描くことが多いというのです。

「基礎を勤勉にコツコツ積み重ねた生徒が、
その基礎を応用する感覚をつかんでから急激な伸びをみせる」

長年、生徒を見続けてきた黒木だからわかる数式かもしれません。

なので、偏差値が2ヵ月前に志望校に届いていなくても間に合う生徒が現れる。

「生徒は可能性の塊です!!」

「二月の勝者」全巻(11巻まで)のまとめ

漫画での受験の始まりは3月です。

それから各月ごとの生徒の気持ちや、塾の方針、塾の考え方などが語られていきます。

物語は月日がたんたんと流れるだけではなく、生徒一人一人に焦点が当てられていきます。

夫婦喧嘩、離婚、引きこもり問題、窃盗、などなど社会問題も考えさせられます。

漫画を通して受験をがんばっている人々を見ると、読者としても勉強をやりたい気にさせられますね。

ここでは全巻(11巻まで)を通して話を見てきました。

 

個々の巻を見たい場合は以下から見ることが出来ます。

>>1巻(1-8話)のあらすじはこちら
>>2巻(8-17話)中学受験の3月はこちら
>>3巻(18-27話)「偏差値40から50に上げる方法」はこちら。
>>4巻(28-36話)「ジャイアントキリングは誰?」はこちら。
>>5巻(37-46話)「学力UPに差がついた2つの理由」はこちら
>>6巻(47-55話)「受験は運!?親の狂気」はこちら。
>>7巻(56-63話)「小学生のメンタル」はこちら
>>8巻(64-71話)「父親の狂気」はこちら
>>9巻(72-80話)「島津家の離婚」はこちら
>>10巻(81-89話)「偏差値は気にしなくていい!?」はこちら。

>>11巻(90-98話)「偏差値は急激に伸びる!?」はこちら
>>「二月の勝者」×おおたとしまさ「中学受験性に伝えたい勉強よりも大切な100の言葉」ネタバレ100

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